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【2018年「企業家賞」創設20周年のあいさつ】 企業家倶楽部 社長 徳永健一

会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。

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(企業家倶楽部2018年4月号掲載)

 雑誌「企業家倶楽部」の創刊3周年を記念して創設された「企業家賞」が、2018年に節目となる20周年を迎えました。これもひとえに読者の皆様のご支援、ご愛顧の賜物と心から感謝いたしております。

 1999年開催から昨年の第19回企業家賞までに受賞された企業家は総勢118名になります。皆さんがよくご存じのソフトバンク孫正義社長やファーストリテイリング柳井正社長、エイチ・アイ・エス澤田秀雄社長らが大賞を受賞し、いつからかベンチャーの登竜門と呼ばれるようになりました。取材先の経営者から、「今年の企業家賞は誰ですか?」「私も大賞を狙います!」と声を掛けられると嬉しくもあり、編集部のメンバーも自分たちの仕事を誇り高く感じています。

 素直に白状すると、審査員の前で候補者企業家のプレゼンをする日が一年で最も緊張します。審査員は大賞を受賞した大物企業家や大学教授、大手新聞社出身のジャーナリストらで構成され、審査する目は真剣そのものです。企業の業績や成長性だけでなく、社会性やトップの人間性も問われます。

 10年位前でしょうか、売上30億円利益数億円のベンチャー企業家を推薦しましたが、時期尚早という理由で落選でした。私は翌年も懲りずに推薦すると、当時の審査員長は見逃さず、私に「喝」を入れました。

「あなたが推薦するというなら、なぜ3年で売上300億円利益数十億に成長していないんだ!」と。あまりの迫力と説得力に返す言葉もありませんでした。それどころか、あの時に企業家賞に命を吹き込んでもらったような気がします。推薦する方も真剣、選ぶ方も真剣なのが企業家賞なのです。

 その証拠に、歴代の受賞者の顔ぶれをご覧になって下さい。業界を牽引するリーディングカンパニーであるどころか、日本を飛び越え世界企業になっています。普通の企業と成功する企業はどこが違うのでしょうか。先日、柳井社長にインタビューした際の話が頭から離れません。

「業績が良い時は不安になる。社員が何もしなくても売れると勘違いするから。逆に業績が悪い方が社員は創意工夫する」

 意外だと思われるでしょうか。しかし、これがトップの本音だと思います。

 永守社長が授賞式の記念スピーチで、「困難君は解決君と供にやってくる」という例え話をして、会場を笑いの渦に巻き込みました。社長は日々トラブルに見舞われるが、逃げずに向き合うと必ず解決案が見つかるものだと。ユーモア溢れるエピソードで今でも語り継がれています。

 さて、これからの企業家賞ですが、編集部一丸となり歴代のレジェンドたちに恥じぬ新たなスターを発掘していきたいと気を引き締めて参ります。今後とも変わらぬご支援、ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

 企業家倶楽部 社長 徳永健一

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