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編集長インタビュー

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人生を掛けて「人をつなげる」仕事がしたい 後編

人生を掛けて「人をつなげる」仕事がしたい 後編

友人作りの新しい手段

 実際にどんなイベントが開催されているのか見てみよう。「餃子の名所 蒲田ではしご食べしよう!」、「ボードゲーム会@渋谷 初心者歓迎」、「スカイツリー・ナイトウォーク すみだリバーウォークを歩きながら夜景を楽しもう!」、「焚火しよう!」、「鬼ごっこしようぜ!」とジャンルはグルメからゲーム、街歩き、アウトドアなど幅広い。平日の夜や休日にイベントが開催され、社会人2、3年目の20代を中心に“友人作り”の手段として市民権を得始めている。

「初対面の人たちでも1~2時間ほど一緒に食べ歩きをしたり、ゲームをしていると打ち解けあい、最終的にはハイタッチをしてその日のイベントを終了するほど盛り上がることもしばしばあります。ユーザーは、1つのサークルのみに参加するのではなく、複数のサークルを転々と参加し、新しい友人との出会いを求めている人が多いようです」と鈴木は若い人はフレンディング・アプリで友人を見つけることに抵抗がないと言う。

 イベントには、つなげーとが企画した「公式サークル」と遊びクリエイターが企画した「一般サークル」の2種類がある。公式サークルの参加料は一人1回1800円で、当日に現地で受付などの班長役を担当すると「ファシリテーター割引」となり半額の900円となる。また最初の参加者5名は「早割」で1000円になるという特典があり、イベント参加への背中を押す仕掛けがなされている。

 一般サークルでは、つなげーとが「遊びクリエイター」と呼んでいる主催者が、参加費用を自由に設定することができる。運営会社であるつなげーとに参加者一人につき290円の手数料を払えばいいので、魅力的なサークルを企画し参加者を多く集めれば稼ぐことも可能である。すでに月間で30万円を稼ぐ遊びクリエイターも出てきている。



人をつなげる重要さ

 最近ではコロナ禍で仕事はリモートワークとなり自宅に巣ごもりする人が増えた。中には何日も他人と話していないという声も聞く。コロナ前よりも疎外感や孤独感を抱いている人が多いのは事実であろう。8割の若者が、休日の過ごし方に後悔したことがあるというデータがある。

 誰とも会わず、ダラダラと過ごす時間を変え、日常を有意義に過ごしたいという願望が誰にでもある。多少のお金を払ってでも休日や平日の夜を一緒に過ごす友人を作りたいという需要があるのだ。しかし、アクティブに活動したいという意欲はあっても、自らイベントを企画し、友人を誘うのは面倒が多い。そこに社会人サークル募集の掲示板というプラットフォームビジネスの商機があった。

 創業者の鈴木はイベント参加者に「なぜサークルに参加するのか?」とアンケートを取った際、ただ遊びに行く人を見つけるためではなく、他の目的があるのではと考えた。サービスを作った当初は、就職や転職で新しい環境に移り友人がいない人たちを想定していた。

しかし、実際は休日に一人ではできないフットサルやゲームをして有意義な時間を過ごしたいというアクティブなユーザーが多かった。サークルはあくまで「手段」であって、イベントを通して「友人を作りたい」という深いニーズがあることに気付いた。

「人とつながりたい」という人間が本質的に持っている欲求をこれからも深堀していきたいと鈴木は将来の夢を語る。つなげーとの挑戦から目が離せない。

(関連記事:人生を掛けて「人をつなげる」仕事がしたい 前編 つなげーと社長 鈴木一郎

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