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日本サブスクビジネス大賞2022

会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。

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グランプリは「YAMAP」に

昨今、生活を便利で豊かにするさまざまなサブスクビジネスが登場、各社成長を遂げている。2022年12月7日、その年の優れたサブスクサービスを表彰する『日本サブスクリプションビジネス大賞2022』表彰式が開催された。

今回で第4回目となるが、100社を超える応募企業から、グランプリ、シルバー、ブロンズ、優秀賞、テモナ賞など13のサブスクビジネスが表彰された。
主催は一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会(以下サブスク振興会)だ。同会では毎年サブスクビジネスの更なる活性化を目指し、優れたサブスクビジネスを表彰している。審査基準は『お得』『悩み解決』『便利』『新規性』『成長性』の5つの要素だが、2022年からそれに『安全性』が加わり、6つの要素で審査された。

『日本サブスクリプションビジネス大賞2022』に輝いた面々


グランプリに輝いたのは登山地図GPSアプリ「YAMAP(ヤマップ)」である。
これは㈱ヤマップが提供する電波の届かない山の中でもスマートフォンで現在地がわかる登山地図GPSアプリだ。国内最大の登山者ビッグデータを活用、遭難発生時の迅速な救助に貢献している。基本機能は無料で、活用頻度の多いユーザーには登山地図を無制限で使えたり、ルート外れの際に警告したりするサブスクリプション型の有料プランを提供。ユーザー同士の集合知によって、情報が更新され続ける「共助」の仕組みを成立させている。

グランプリに輝いた「YAMAP(ヤマップ)」左はサブスク振興会新会長 梶山啓介氏


シルバー賞に輝いたのはmederi Pill(メデリピル)である。 mederi㈱が手がけるオンラインピル診療サービスである。これは生理にまつわる不調を抱えている女性と、産婦人科医をマッチングするプラットフォーム。オンライン診療で低用量ピルを処方、最短翌日にポストに届くというもの。その後は定期配送となる。自由診療で診療代は永久無料。医師判断のもと低用量ピルを処方された場合は初月無料。2カ月目以降はピル代2,970円(税込)+送料550円(税込)となる。

シルバー賞に輝いたmederi Pill(メデリピル)


ブロンズ賞は全国のレジャー施設体験サブスクサービス「レジャパス」である。
これは㈱ORIGRESS PARKSが提供している、遊園地・テーマパーク・水族館・動物園・温泉・サウナ・キャンプ場など全国120以上の有料施設を月額1,980円(税別)〜の会費のみで利用できるというサービスだ。コロナ禍でこうした施設は大変な打撃を受けたが、競争ではなく共闘してレジャー・エンタメ産業を盛り上げようとスタートしたという。

ブロンズ賞に輝いた「レジャパス」


特別賞には以下の8社が選出された。
Otomoni(オトモニ) / クラフトビールの定期配送サービス
Kutoon(クトゥーン) / 子供靴のレンタルサービス
Suppleno(サプリノ) / 分析に基づきサプリメントを最適化
DREAMBEER (ドリームビア)/ ビールサーバーを自宅で手軽に利用できる
MOKKI NO MORI /東京都桧原村の山を使い放題
ロスゼロ不定期便 /フードロス削減の一環で定期的に食品をお届け
ロスヘル / 規格外野菜の有効活用を通じたフードロス削減
1ドリンクサブスク / ガス会社が連携して異色のサービス開始

特別賞に選出された8社の面々


そしてテモナ賞には㈱STRKのトクポチが選出された。これはフードロス削減の為に食品が最大無料で購入できる会員制通販サイトである。サブスク振興会特別賞にはオーディオサブスクのONZOが選出された。㈱ONZO が提供するサービスで、月額定額のオーディオ機器のサブスクリプションレンタルである。
2022年は総勢13社が表彰されたが、どのサービスも「お得」「新規性」など6つの要素を満載、お客様への新しいサービス提供に意欲満々だ。

“家ナカ消費”と“ソト消費”が拡大
サブスク振興会では、円安や物価高で財布のひもが固くなった2022年だが、一方で「フードロスの削減」につながるサービスや、子供靴のレンタルサブスクなどがノミネートSDGsやサステナブルの高まりを反映したサービスが目立った。またコロナ禍が続いていることから、「おうち時間を豊かにする」サブスク、「健康に関するサブスク」が広がりを見せた。そして行動制限の緩和などから、アウトドアやレジャーへの人気の高まりを反映したサブスクが登場。“家ナカ消費”と“ソト消費”両方へのサブスクサービスの拡大が特徴的だったとコメントしている。
特別賞に選出された8社にはサービス開始から1年も満たない新サービスも登場した。ここには「サブスクビジネスで便利で楽しい生活を満喫して欲しい」というサブスク振興会の強い意志が見て取れる。
2023年にはサブスクビジネスのガイドラインをつくり、正しいサブスクビジネスの普及に努めるとしている。サブスク振興会の会長は1年毎に交代、他の理事も手弁当で頑張っているというが、こうしたサブスク振興会の熱い志と努力のおかげで、日本に幅広いサブスクビジネスが浸透しているといえる。サブスク振興会の頑張りに感謝するとともに、2023年はどんなサブスクビジネスが表彰されるのか、今から楽しみだ。

サブスク振興会につして熱く語る新会長の梶山啓介氏

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