MAGAZINE マガジン

クラダシ関藤竜也社長「食のサステナビリティ共創・協働」フォーラムを主宰

会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。

トピックス

クラダシ関藤竜也社長「食のサステナビリティ共創・協働」フォーラムを主宰

クラダシ関藤竜也社長「食のサステナビリティ共創・協働」フォーラムを主宰

10月26日(木)、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営する㈱クラダシ主宰の「食のサステナビリティ共創・協働」フォーラムが開催された。2回目となる今年は、「サステナビリティ経営」・「人的資本経営」・「サステナブルデザイン」・「B Corp」などのキーワードを切り口に、さまざまな食の課題解決について考え、議論する機会を提供した。

2023年10月26日午後13時、東京ミッドタウン八重洲カンファレンス 4Fには多くの人が集まっていた。㈱クラダシが主宰する「食のサステナビリティ共創・協働」フォーラムが始まるのだ。
オープニングトークで登壇したのは、クラダシ社長の関藤竜也氏である。
「皆さんこんにちは。今年もこのイベントを主宰することができました。『食』は生きる根源ですが、社会基盤の上に成り立っています。今、気候変動や国際紛争など多様な変化が起こっています。外部環境が変化する時こそイノベーションのチャンス。このイベントを楽しんで頂きつつ、新しい仲間をつくり、新しい関係を作って頂きたい。同じ想いを未来に向ければ二兎を得ることができます。新しい気づきは未来に向かう推進力になります。ぜひこのフォーラムを楽しんで欲しい。本日、この場所を日本で一番熱い場所にしましょう」
力強く語る関藤社長の言葉には熱意が溢れており、これから始まるプログラムに期待が沸く。

熱く語るクラダシ関藤竜也社長

■食糧問題は喫緊の課題
基調講演を務めたのは、サステナビリティ経営の専門家ある㈱ニューラルCEOの夫馬賢治氏である
 「今や国際社会では、エネルギー業界と並び、サステナブルが危惧される二大テーマのひとつは食品業界。食糧問題は喫緊の課題。食品業界にとってどのようなゴールが求められていくのか。長期で考えるためには、まずは実現したい長期目標を設定することが大切。皆で知恵を絞って解決策を考えて頂きたい」
サステナビリティ経営のプロとして活躍する夫馬氏、データを提示しながらの講演は説得力があり、日本がこうした問題について遅れていることを示した。

■タテ割りとタコツボを打破
続いて登壇したのは、味の素㈱の取締役代表執行役社長の藤江太郎氏である。 藤江氏は「味の素グループが取り組むASV経営~サステナビリティの推進~」と題して、自社の取り組みを披露した。
「味の素グループは事業を通じて、社会価値と経済価値を共創する取り組みにより成長してきました。この取り組みをASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)と称し、現在も経営の基本方針(ASV経営)としています。

味の素藤江太郎社長


食と健康の課題解決企業を推進するには、タテ割りとタコツボを打破しなくてはならない。ASV経営=志×熱×磨 と強調した藤江社長。「ASVレポート2023」を発刊、取り組みを加速していると熱く語った。

今回で2回目とはいえ、各界の最前線で活躍する有識者の方々の講演や、先行企業の取り組み事例、セッションなど、プログラムは盛りだくさんだ。このプログラムを見ただけでクラダシのこのフォーラムにかける気合が伺い知れる。

■B Corpの可能性とは
中でも注目したいのは「サステナブルな未来を創るパーパス経営とB Corpの可能性」と題したパネルディスカッションだ。
パネラーはダノンジャパンの大楠絵里子氏、クラダシ中野奈緒子氏、博報堂吉田啓一氏、モデレーターは博報堂の佐藤友亮氏が務めた。
① なぜパーパスが必要か 
② パーパスを従業員に浸透させアクションに繋げるか 
③ B Corpとは本質的に何か 
という3つのテーマに対し、各社の事例と共に活発な意見が交わされた。

熱く語る面々


ところで「B Corp認証」についてご存じだろうか?
「B Corp(Bコープ)」とは、「B Corporation(Bコーポレーション)」の略で、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度のこと。運営は、米国の非営利団体のB Labが行っている。
  このB Corp認証取得企業は世界で7600社あるが、日本ではまだ31社という。認証を受けているダノンジャパンとクラダシからは、社会に良いことをしている会社として誇りに思うとともに、良い商品を生み出す励みとなること、良い会社で働きたいと思っている人の指標となるなど、熱く語られた。SDGsやサステナビリティへの意識が高まる中、B Corpの可能性を認識させる刺激的なセッションとなった。


■マイパーパスとして日々の行動に
夕方からは一橋ビジネススクール客員教授名和高司氏が、「食と社会のイノベーション」と題して講演を行った。パーパス経営で知られる名和氏、パーパスとは「志」でもあり日本人にピッタリであること、パーパスを掲げて力つきている会社が多いが、マイパーパス活動を提唱、日々の行動に結びつけることの重要性を強調した。

名和高司氏

最後に再び主催者のクラダシ関藤社長が登壇。「もったいない」は日本人の美徳。これをどう再活用するか。これは日本の世界遺産の一つであり、いきがいとなるとして熱く語った。
この他5階会場では、スタートアップ3社のセッションや、食の未来を拓く身近なイノベーショをテーマにしたパネルディスカッションが開催された。
13時のスタートから5時間にわたるパワフルで盛りだくさんのプログラムに、詰め掛けた参加者からは大満足の表情が見て取れた。
それだけではない、会場には協賛企業の取り組みの展示や情報コーナーが設置され、参加者たちを盛り上げた。食品関連企業の人やSDGsやサステナビリティに携わる人らが集結、まさに日本で一番熱い場所となった。

■志熱き人々のネットワーキング
 18時30分からは「食品サプライチェーンのイノベーション」と題して座談会が開催された。参加者は一橋ビジネススクール名和高司氏、ベイシア相木孝仁社長、クラダシ関藤竜也社長と錚々たる顔ぶれ。相木社長は大手小売業としての役割、食のサステナビリティへの取り組みについて語った。

自社の取り組みを語るベイシア 相木社長(右)


その後はネットワーキングタイムとして、登壇者、参加者が一体となり、ネットワークを楽しんだ。
参加者たちには共に濃密な時間を過ごした仲間として笑顔が広がった。
食のサステナビリティをテーマにこれだけのイベントを企画・実行したクラダシのチャレンジには感服するのみだ。
クラダシはフードロスや気候変動といった、さまざまな「食」に関わる課題を解決するためには、企業間と官民の連携、協働が必要と考え、食のサステナビリティ研究会を立ち上げ、イベントを開催してきた。その1年間の集大成といえる。
それにしてもこれだけ多くの関係者を集結させるにはどれだけの努力と準備を重ねてきたことか。成功の一番の功績はなんといっても関藤社長の熱き志と実行力、そして社員たちのパワーであろう。クラダシの今後の活躍が楽しみだ。
         

一覧を見る