会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。
東京・青山、青山通りイチョウ並木の近くに11月21日「Telling Cafe & Gallery」がグランドオープンした。ここは日本の伝統文化の継承をテーマにしたカフェ&ギャラリーだ。運営しているのはグローバルICT企業のFreewillだ。CEOの麻場俊行氏は「この場所は日本に恩返ししたいという想いでつくった」と力強く語った。 (三浦千佳子)

(株)Freewill FOUNDER & CEO 麻場俊行氏
青山を情報の発信基地に
11月21日昼、青山通りは明治神宮外苑のイチョウ並木を見に行く人たちで溢れかえっていた。一年で一番の賑わいと言っても過言ではない。その並木道の隣に「Telling Cafe & Gallery」がグランドオープンした。中に入るとテーブル一つひとつ、椅子一ひとつ、棚に並んだ壺や工芸品など、作り手のこだわりが全身に降り注ぐ。身が清められるような不思議な空間だ。それでいてカフェスペースとして居心地が良く、ずっとここに座っていたいと思わせる安らぎの空間でもある。
全国の伝統工芸品や食品が並ぶギャラリーとの中間の壺には、真っ赤なもみじが秋を奏でる。これも日にちとともに少しずつ変化し、季節の移ろいを感じさせてくれるのであろう。
こんな素敵な空間が、こんな素敵なカフェ&ギャラリーが青山に出来た!と嬉しくなる空間だ。

花瓶には秋真っ盛りが生けられている
さてこの日はグランドオープンとしてメディア説明会が開催された。
オープニングセレモニーは能楽の「高砂」でスタートした。辰巳和麿氏が朗郎と謡い、小鼓方は大倉流の清水和音氏が務めた。2人が奏でる圧倒的な音色に、会場は一瞬にして凛とした空気に包まれた。

能楽でスタート
日本文化の跡継ぎをつくりたい
挨拶に立ったのはオーナーの㈱FreewillのFOUNDER & CEOの麻場俊行氏だ。
「私がここを創ったのは日本の文化・芸術の跡継ぎをつくりたいと思ったからです。最近は日本の若者が日本文化について知らないことに驚きます。これは問題です。政治や教育機関でやらないなら民間でやるしかない。東京の中心青山は文化の発信基地として最も相応しい。そう思ってここに「Telling Cafe & Gallery」を創りました。紅葉シーズン以外はあまり人通りがないから、ここでやることに意味がある。日本の文化に触れ、発表する場として多くの方に来ていただきたい。2階にはワークショップスペースもあり、多くのイベントも決定しています。ここを開かれた場所として提供していきたい」
麻場氏は若者がこの場所で日本文化に触れ、学び、発信する場として、さらに新しい文化を生み出す場所として活用して欲しいと高らかに語った。

文化の発信基地にしたいと語る麻場氏
続いてこの日は、漆芸修復師として名高いHIROKI氏が登壇、金継ぎの魅力について語り、手がけた作品を展示した。最近金継ぎが人気だが、翌週からここ青山で金継ぎ教室を実施することを発表した。

金継ぎの魅力を語るHIROKI氏
さらにグランドオープンを記念して、2Fのギャラリースペースは12月1日から2026年5月31日まで無償で提供するという。メイドインジャパンの応援企画として、さまざまな人に発表の場として活用してもらいたいというのだ。
日本の伝統の味を提供
ここでは「食」も得意だ。1Fのカフェスペースではランチプレートや、スイーツ、ドリンクなどを提供しており、気軽にカフェとして利用できる。こだわりの食事を味わいながら、ギャラリースペースに並ぶ全国各地の工芸品や食品を見て、購入することも可能だ。
この日は「Telling プレートプレミアム」が提供された。1食で28品目摂れるという。食材一つひとつにこだわりが詰まっており、汁物とごはんだけでも心が満たされる逸品だった。

デザートとしては麹納豆とショコラのコラボ商品が提供された。コクのある深い味わいが印象的だった。今後も新メニュー発信したいという。ちなみにここで使われている食器や食材はギャラリーでもTells Marketで買えるという。
日本ブランドを伝える「Tells market」
FreewillではECサイト「tells market」(テルズ マーケット)を運営、日本全国から集めたMade in JAPANの商品を販売している。「日本のものづくり、作り手の思いを日本にそして世界に発信する」をコンセプトに立ち上げたという。
「tells market」の「tells」とは伝えるということで日本ブランドを“伝える”ことに重点を置いている。昨今ECサイトは低価格を余儀なくされており「商品」を売るためのシステムになっていると危惧。そうした中でモノだけでなく、作り手の想い、背景ストーリーを伝え、いいモノを適正価格で販売することを目指すとしている。そして近い将来、日本国内の全てのJAPANブランドを網羅するECサイトに成長させたいと意気込みを語った。

自慢の屋久杉と共に意気込み語る麻場氏
最後に決済サービスとしての「サスPay」の説明がなされた。専用端末不要で固定費もかからない。さまざまなイベント使えるイベント専用決済サービスという。そして決済金額の1%がポイント還元され、森林保全など社会課題解決に使われるというものだ。
FreewillのようなICT企業が日本の伝統文化継承に力を入れ、文化発信の場を提供すること自体、素晴らしいことだ。若い頃から世界を体験してきた麻場氏が「日本に恩返ししたい」と力強く語っていたのが印象的だった。

ギャラリーには登場予定の文化の担い手が
居心地の良い空間として、こだわりの味を楽しむ場として、日本の伝統文化に触れ・学び・発信する場として、青山にこんなスペースができたことに感謝したい。壁のギャラリーには工芸品と共に、今後登場する伝統文化の担い手のポスターが多数掲示されていた。この「Telling Cafe & Gallery」が今後どのように浸透し、進化していくのか楽しみだ。