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【レポート】ファーストリテイリング財団/柳井正会長

会社名や組織名・役職・内容につきましては、取材当時のものです。

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インドネシア高校生向け奨学金事業を実施

インドネシア高校生向け奨学金事業を実施

ファーストリテイリング柳井正会長兼社長



柳井正会長兼社長が創設したファーストリテイリング財団(以下、FR財団)は、6月17日、インドネシアの首都ジャカルタで、日本への奨学生事業を実施。約600人の応募者から選抜された9人の奨学生の壮行会を開催した。第1期奨学生として選ばれた9名は、京都大や慶応大など日本でもトップクラスの大学で、英語学士課程で学ぶこととなる。
ファストリ財団は「ユニクロ」の展開地域で、日本への留学の需要が大きい国を対象に奨学金制度を拡充。2022年にベトナムでスタート、25年からインドネシアで事業を進めている。各国の優秀な若者が日本で学ぶことを支援し、将来、両国の架け橋になることを期待している。

【選抜された奨学生9名 中央がFR財団の石田吉生事務局長】


最大10人の枠に対して約600人が応募。多忙な中、柳井正会長自身が最終面接を実施したという。こうした支援事業に対し柳井会長がいかに力を入れているかがうかがい知れる。
FR財団としては、東南アジア諸国の人々との交流強化が今後の日本社会の発展に重要と考え、奨学金事業をスタートさせている。インドネシアで日本への留学を志す意欲ある高校生が、家庭の経済状況に左右されることなく、日本の大学で学ぶ機会を得られるよう。日本での学びを通じて、新しい視点や経験を身につけ、将来それぞれの分野で活躍する若者を支援したいとしている。
石田吉生事務局長は「選抜にあたっては学業の成績だけでなく、明確な志をもって学ぶ姿勢やコミュニケーション能力を重視した」と語った。
東南アジアの中でも2億8000万人と人口が多いインドネシア、若者が多くユニクロとしても78店舗を展開、現地ではユニクロファンも多い。人数比として将来はインドネシアから30~40人を受け入れる可能性もあるとしている。

ジャカルタのショッピングセンター内のユニクロ



返済不要の奨学金に600名が応募

今回選出された9名には一人当たり年間最大で450万円を支給するが、返済の必要はなく、卒業後の進路選択も自由という。
また日本の大学(英語学士課程)への進学にあたり、奨学金の支援を前提に準備を進められる「予約型」の仕組みを採用しており、留学生にはありがたい奨学金となっている。
2025年度の募集には、ジャワ島だけでなく、スラウェシ島、スマトラ島、パプア島など、インドネシア各地から約600名が応募。今回選出されて9名は、航空宇宙工学、材料科学、農学、海洋生物学、コンピューターサイエンス、教育学など多様な分野を専攻、2026年秋より日本の大学(英語学士課程)で学ぶ予定だ。
京都大学工学部に進学予定の奨学生は「衛星技術を学び、インドネシアの航空宇宙分野の発展に貢献したい」と。同じく京都大学農学部に進学予定の奨学生は「植物由来の生物農薬を用いた持続可能な農業技術の研究を進めたい」と。慶應義塾大学情報学部に進学予定の奨学生は「AIを活用した教育格差の解消に取り組みインドネシアの教育格差と雇用問題を解決したい」と。どの人も明確な志を持つ優秀な若者たちだ。

当日の式典では、関係者から激励の言葉が寄せられた。

在インドネシア日本国大使館星野大輔公使からは
「FR財団の奨学金事業がインドネシアにおいて開始されることは、日本・インドネシア両国の関係を一層深化させる上で、極めて意義深い。日本政府は東南アジアを留学生受け入れの重点地域とし、インドネシアを大切なパートナーと考えている。第一期奨学生の皆様には、日本での留学を通じてあらゆる経験を吸収し、国際的な人材として成長するとともに、日本との繋がりを生涯の絆として育み、得た知識や経験が、将来、インドネシアの発展、そしてアジア全体の平和と繁栄の架け橋となることを願っています」

インドネシア初等中等教育省ユリ・ハリヤント高等学校課長からは
「私たちは、調和のとれた持続可能な社会の実現に貢献する団体として、FR財団を高く評価しており、本奨学金がインドネシアのより多くの若者に新たな機会を提供することに期待しております。本奨学金の開始に深く感謝するとともに、第一期生の皆様には、日本におけるインドネシアの代表として、誠実さを大切に学業に励んでいただくことを期待したい。本プログラムが両国間の協力を一層強化することを願っております。」


■世界で活躍し未来を創るリーダーに
柳井正FR財団理事長からのメッセージも届けられた
「日本での学びは、専門分野の知識を身につけるだけでなく、自分とは異なる考え方や価値観に触れる機会でもあります。世界はすでにつながっており、一国だけで物事は完結しない。日本とインドネシアを含めた世界の中で、自分がどのような役割を果たしていくのか、ぜひ考えてみてください。
学生生活を通じて、多様な仲間と出会い、さまざまな経験を重ねていってほしい。その一つひとつの経験が、やがて皆さん自身の力となっていくはずです。皆さんが世界を舞台に活躍し、未来を創っていくリーダーとなることを期待しています」
FR財団は、研究・教育・人材育成を通じて、より良い社会の実現に貢献することを目的に活動しています。本奨学金事業は2022年にベトナムで開始、2025年にインドネシアへと展開、2026年にはフィリピンでも募集を開始します。FR財団は今後も、次世代を担う若者が学びを通じて可能性を広げていくことを支援してまいります」。

22年にスタートしたベトナムと同様、今回も最終選考会には柳井理事長自らが出席したという。評価ポイントは、学力や英語力が優秀なだけでなく、なぜ日本に留学したいのか、彼らが日本での学びをどう社会に還元したいと思っているか、またやり遂げてくれる人物かどうかを重視したという。柳井理事長がいかにこの奨学金事業に力を入れているかが窺い知れる。今回日本で学ぶ9名が、本当の意味で両国の架け橋となり、世界で活躍することを期待しているのであろう。

FR財団は、2018年に創設。社会をより良い方向へと導くための研究・技術開発の支援や人材育成、並びに社会的に弱い立場におかれた人々への支援を通して、あらゆる人々が共生できる、持続的に発展可能な社会づくりに貢献することを目的としている。
今回のような奨学金事業はもとより、難民子女のための学習支援などの自立支援事業、他、さまざまな支援活動を実施している。柳井会長自身が理事長を務め、全ての活動は柳井会長の肝入りだ。本来なら政府関連の仕事であろうが、民間でここまで実行している企業はあまり見当たらない。

難民子女のために学習支援活動



■どう社会の役にたつのか 

FRグループは毎年過去最高の業績を更新、今や誰でも知る世界のトップ企業として君臨する。
こうした世界に冠たる企業として、世界中で成長しているのは、世界のFRグループの社員一人ひとりの意識とたゆまぬ努力の賜物であろう。
 「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
というミッションの元、「より良い世界を創り出すことが、企業の使命」というFRグループ。
柳井会長の強烈なリーダーシップの元、高い志を全社員が共有し、実行。真のグローバル企業を目指し邁進しているのだ。
これを実現する原動力は、トップとしての柳井会長の志、生き方そのものといえよう。
 世界では争いが絶えない。一方、最近はAI関連企業の株価が異常に高騰。経済界が踊らされているのが目につく。
成功した企業家がどう生きるのか、どう社会に貢献できるのか。何から実行していくのか。柳井会長が世界で尊敬される企業家として先頭を走っていることは確かだ。企業家は事業を追求するだけでなく、どう社会の役に立つのか。どう社会貢献していくのか。柳井会長を見習い、小さな一歩からでも行動していきたいものだ。
(レポート 副編集長 三浦千佳子)

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